X-T2ユーザーから見たX-T3
今日は昨年9月に発売になったX-T3についてX-T2ユーザーの視点から少し書きたいと思います。
X-T3の第一印象
X-T3は昨年10月にニューヨークで行われたPhoto Plus Expoというカメラの展示会で実際に触ってみました。
こちらが富士フイルムのコーナー。
X-T3の写真は撮り忘れました。
ちょっと触って使ってみた印象は「色々中途半端だな」でした。
X-T1からX-T2への進化は目覚ましいものでしたが、それに比べるとX-T2からX-T3の進化はかなり地味に見えます。
X-T1が実験機であったとしたら、X-T2は完成機、X-T3はX-T2の派生機といった感じがします。
X-T3の質感
スペックや外観の細かい部分の話はさておいて、実際に持って触って見た時の第一印象はちょっと安っぽくなったような感じがして、一気に冷めました。
上部にあるISO感度ダイヤルとシャッターダイヤルはX-T2のガッチリした感じがなくなっていました。
これらのダイヤルの下にあるドライブダイヤルと測光ダイヤルを回しやすくするため従来より厚くなっており、上部のダイヤルが逆に薄くなり、全体的な質感が落ちたような気がしました。
X-T2のISO感度ダイヤルとシャッタースピードダイヤルは厚みがあり回しやすいし、下にあるダイヤルも回しにくいことはないので、なぜダイヤルのデザインを変えてしまったのかよくわかりませんでした。
前後にあるコマンドダイヤルはかなり固くなっており回しにくくなっていました。しょっちゅう回すダイヤルなので指に傷ができそうな感じがしました。X-T2は逆に軽すぎますが、X-T3は極端に固すぎます。
X-T3のデザイン
ダイヤル類の形の変更とは別に、カメラの肩の部分がほぼまっすぐ縦になったせいで全体的に角ばった感じになりました。デザインが美しいとは言えないソニーのα7シリーズに似ているなと感じました。
シルバーのX-T3はよく見ると細かい部分でコスト削減を狙ったのかなという部分が見受けられます。例えば背面液晶の枠、背面の操作ボタンとその周辺、ホットシューカバーはすべてブラック。
X-T2のグラファイトシルバーはこれらの部分がすべてグラファイトシルバーで統一されています。
X-T3の機能
スペックがアップした部分も、動画や連写機能の向上、EVFの性能アップ、有効画素数の微増、フィルムシミュレーションにETERNAを追加、ISO常用感度を200から160に微調整、と地味目。
画像処理エンジンが「X-Processor 4」に変更されたようですが、X-T2に搭載されている「X-Processor Pro」との性能の違いは連写速度以外どれほど違うのかが富士フイルムのホームページからはよくわかりませんでした。
唯一うらやましいのはフォーカスエリアを液晶画面上でタッチ操作で移動できること。フォーカスレバーを使うより速く被写体にフォーカスエリアを移動できます。
ソニーのα5100にも2014年当時から付いている機能で、とても便利です。
まとめ
ややX-T3について辛口の感想となってしまいましたが、あくまでもX-T2をすでに持っている視点から書いたので、これから新たにXシリーズユーザーになる方はX-T3はよい選択肢かもしれません。
X-T2ユーザーから見るとX-T3は色々な意味でやや中途半端。
AFなどの性能は向上しているようですが、そもそも持って触った感じがX-T1やX-T2を初めて触った時の高揚感がなく、個人的には残念な出来のように感じました。
X-Pro3はこのような方向に進まないことを期待したいと思います。