フィルムシミュレーションをRAW現像ソフトでどこまで再現できるか
本日はRAWファイルを現像するときにどこまで富士フイルムのフィルムシミュレーションを正確に再現できるかを簡単に検証してみたいと思います。
検証しようと思った理由
X-T2グラファイトシルバーで撮影するときにはいつもRAW+JPEGで撮影しています。
富士フイルムのフィルムシミュレーションで色々画風を変えるのが楽しいので、カメラ内現像でフィルムシミュレーションを変えることがよくあります。
カメラ内で現像をするのが富士フイルムの色を正確に出せるようなので、できるだけ現像したいものはカメラ内でしています。
カメラ内の現像が特殊であることは富士フイルムの担当者もこのインタビューで述べております。
しかし、SDカードにすべてのRAWファイルを保存しておくわけにもいかないので、一日に一回外付けハードディスクに撮った写真を移し、一か月に一回ほどSDカードをフォーマットしています。
そうするとRAWファイルをカメラ内で現像できなくなり、富士フイルムの色を正確に出せなくなります。
そこで、現像したいRAWファイルだけをX-T2に戻してカメラ内で現像をできないか色々調べましたが、どうやらできないそうです。
RAW現像ソフト
SILKYPIX
そこで富士フイルムホームページからダウンロードできる「RAW FILE CONVERTER EX 3.0 powered by SILKYPIX」を使ってみました。
こちらは富士フイルム製ではなく、市川ソフトラボラトリーという会社が作っているもののようです。
RAW現像ソフトの中では珍しく富士フイルムのフィルムシミュレーションを選んで現像ができます。
ところが、カメラ内で現像したものと出来上がりがあまりにも違くてがっかりしました。
FUJIFILM X RAW STUDIO
そこで、FUJIFILM X RAW STUDIOという富士フイルム製のソフトを使ってみました。
こちらはカメラ(筆者の場合はX-T2)をパソコンに接続して、外付けハードディスク内にあるRAWファイルをX-T2の中で現像するという仕組みのようです(少なくともこれが筆者の理解)。
このソフトはカメラ内で現像した時と同じようにフィルムシミュレーションの色を出してくれます。
アクロス
違いが顕著に出たのはアクロスでした。アクロスは元々粒状感を出すために写真上に粒をランダムに散らすようです。詳しくはこちらを参照。
こちらがSILKYPIXを使って現像したもの。
こちらがFUJIFILM X RAW STUDIOを使って現像したもの。
窓枠を拡大してみました。こちらがSILKYPIX版。
そしてこちらがFUJIFILM X RAW STUDIO版。
ご覧の通りSILKYPIX版はアクロス独特の粒状感が出ていません。
クラシッククローム
富士フイルムのフィルムシミュレーションでもう一つ独特なのがクラシッククローム。こちらでも差が出ました。
こちらがSILKYPIX版。
こちらがFUJIFILM X RAW STUDIO版。
あまり差は出ませんでしたが、SILKYPIX版の方は空の色が濃いめに出ています。
ベルビア
こちらはSILKYPIX版。
こちらはFUJIFILM X RAW STUDIO版。
SILKYPIX版は緑が全体的に薄めで、黄色っぽくなっています。FUJIFILM X RAW STUDIO版は緑が濃く出て、瑞々しくなっています。
まとめ
まだ細かくは検証をしていませんが、簡単に検証した結果、SILKYPIXとFUJIFILM X RAW STUDIOの間でRAWファイルを現像したものに差が出ることがわかりました。
富士フイルムのフィルムシミュレーションを正確に再現したいので、SILKYPIXは使うのをやめ、FUJIFILM X RAW STUDIOを使うことにしています。
次に検証するときはカメラ内で現像したものを元に比較してみたいと思います。